三四郎

始まりは、息子の夏休みの宿題に三四郎の読書感想文があり、ひと通り読んだらしい。

しかし、何を言いたい小説なのかさっぱり理解できないと言う。

 

読書嫌いの私は、当然、漱石の長編など読んだことはない。

息子に三四郎を中心として、どんな小説なのか要点だけ聞いた。

 

主な登場人物は、美人の美穪子、三四郎の友人の与次郎、あとは与次郎の妹でよし子、教師数人、画家、爺さん、他数名。

 

三四郎は九州の田舎から東京の大学に入った純真な青年。

与次郎は東京育ちで自分を意思をはっきりと示せる人。

美穪子は狐顔の秀才で謎の人。

 

三四郎与次郎は美穪子に好意を抱いている。

 

美穪子は三四郎に選ばせた香水をつけている。

あるとき、三四郎美穪子は空を眺めていた。何かに足をとられ、美穪子が三四郎に倒れかかる。そして「stray sheep」とつぶやく。

 

またあるとき、三四郎美穪子と画家の展覧会に行き、与次郎と出くわす。しかし三四郎は美穪子が与次郎を避ける姿をみて、美穪子に嫌悪感を抱く。

 

ところがどういう訳か、美穪子は三四郎が帰省している間に見知らぬ人と結婚する。その見知らぬ人は、よし子と結婚すると噂されていた男。

美穪子は三四郎の気持ちをもてあそんだことを後悔した。

 

つまりは三四郎も与次郎も失恋した。

 

というのがあらすじらしい。

前にも書いたが、私は内容や話の順序は当然知らない。

これが正しいのか間違っているのかすら分からない。

 

で、感想は?と息子に聞くと、何が何だかさっぱり分からないと言う。

大学生の心境を中学生である自分には理解できるはずもないらしい。

そもそも、なぜこんな小説を課題にしたかが疑問だと言う。

 

まあそうだろう。

大学生の微妙な心境をちゅうぼうが分からないというのは、ある意味正しい。

 

私の経験談(というより失敗談)を交えながら、美穪子が三四郎の腕の中で「stray sheep」と言った意味を考えさせた。

 

美穪子は何かに迷っていることを三四郎に伝えたかったのではないか。

しかし三四郎は、美穪子が何を迷っているか理解できなかったのではないか。

最後に美穪子が三四郎の心をもてあそんだと思っているのはなぜか。

 

ここまでヒントを出せば、ちゅうぼーでも何か分かるだろうと思った。

しかし、うーんというばかり。

 

恋に無頓着なのは父に似たのかも知れない。

 

そこから人生論にまで話は移っていったが、それはまたの機会に。